老犬ホームとは

2018年3月7日

 

ペットの長寿命化

ペットフード協会「2017年 全国犬猫飼育実態調査」によれば、犬の平均寿命は14.2歳、猫の平均寿命は15.3歳である。下記グラフからも分かるように、ペットの平均寿命は延びている傾向がある。この背景には、ワクチンや駆虫薬の普及による感染症の減少、室内飼育の増加による交通事故の減少、ペットフードの改良による栄養失調の減少、獣医療の進歩等があげられる。


出所:一般社団法人ペットフード協会「2017年 全国犬猫飼育実態調査」

長寿命化の結果、高齢犬・猫の割合も高くなっている。ペットフード協会「2017年 全国犬猫飼育実態調査」の調査によれば、下図の通り高齢期とされる7歳以上の割合が、犬においては58.8%、猫においては44.7%を占めている。

 

出所:一般社団法人ペットフード協会「2017年 全国犬猫飼育実態調査」

ペットの介護

ペットが高齢になると、人間と同様に介護が必要になる場合も多い。例えば、決められた場所で排泄ができなくなる、自分で食事がとれなくなる、歩くのに補助が必要になる、寝たきりになり床ずれができる、視力や聴力の衰えにより飼い主の存在を感じることが出来ず不安になり夜鳴きが始まる、などの症状が挙げられる。また、認知症の発症により、徘徊や夜鳴きが始まる他、しつけたことが出来なくなる、家具や壁にぶつかってしまう、といった支障が出ることもある。

今後、高齢化社会がいっそう進むことで、人間の介護現場で問題視されている老老介護状態になる飼い主が増加することが見込まれる。

 

一つの選択肢「老犬ホーム」

近年数が増えているペット関連サービスの一つに「老犬ホーム」がある。老犬ホームとは、何らかの事情により老犬の世話が出来なくなってしまった飼い主から、短期や長期で老犬を預かり介護する施設である。自身の体力の衰え等により老犬の介護の継続が困難になった飼い主や、老犬の介護に疲労困憊してしまった飼い主のニーズが背景にある。

老犬ホームの入居頭数は徐々に増加しており、リブモ株式会社が運営する全国の老犬ホーム検索・老犬介護の相談窓口「老犬ケア(リンク:https://www.rouken-care.jp/research/tenants201712/)」によると、2017年12月末時点の入居頭数は614頭となっている。


(出所)老犬ケアHP

同社代表取締役の森野氏によれば、飼い主は老犬ホームに預けるまでに、愛犬を老犬ホームに預けるということは愛犬を「捨てる」ということではないかと逡巡していることが多いという。しかし実際に預けると、飼い主は精神的・肉体的に楽になり、老犬ホームで元気にしている愛犬の姿を見て「預けて良かった」と声を揃えるという(詳細:同氏インタビュー記事「老犬ホームは犬を「捨てる」のではない、「預ける」場所である」)。

 

老犬ホームの選び方のポイント

老犬ホームを選ぶ際には、どのようなポイントを見れば良いのだろうか。病気や障害を抱えているペットの場合は、そういったペットでも受け入れ可能かという条件はもちろんのこと、飼い主の利便性やホームの設備等、様々なポイントがある。

飼い主の利便性の観点では、自宅や職場からのアクセスや利用料金の他、短期預かりへの対応、面会時間、面会室の有無といったことが挙げられる。ホームの体制や設備の観点では、スタッフの常駐時間、提携する動物病院の有無、ドッグランの有無及び広さ、トレーニング設備(ジョギングマシーン等)の有無等においてホームにより差が出てくる。この他、ペットフードの指定が可能であったり、食事時間や散歩の時間など1日のスケジュールを指定できるなど、ホームでの過ごし方をオーダーメイド出来るケースもある。

老犬ホームを比較してみる「老犬ケア」

 

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