ペット保険の歴史

2017年5月1日

 

近年、日本でも認知度が高まってきたペット保険ですが、その歴史は100年以上にも及ぶ。今回は、ペット保険の誕生から現在までの歴史ついて紹介する。

ペット保険誕生の地は”スウェーデン”

西暦 事柄
1890 “Lansforsakrings Alliance”の創設者であるClaes Virginが、スウェーデンで動物(家畜や馬)を対象とする初めての保険契約を作成する
1924 Agria社がスウェーデンで世界初となる犬を対象とした保険が販売される
1947 イギリスでペット保険が販売開始される
1980 “Veterinary Pet Insurance”が米国で初めてペット保険を提供し始める
1989 Petplan (現Western Financial Insurance)、MediPet、Petsureによってカナダでもペット保険が販売開始される
1995 日本初のペット保険が販売開始される

出所:North American Pet Health Insurance Association/日本ペットオーナーズクラブ代表インタビュー

ペット保険誕生の地はスウェーデンだ。今から1世紀以上前の1890年に、Claes Virgin氏が広義のペット保険を初めて作った。しかし、この保険が対象とする動物は家畜動物や馬等であり、厳密には犬や猫といったペットを対象とする保険ではなかった。

それから30年と少し経った1924年、同じくスウェーデンのAgria社から世界初となる「犬を対象とした」保険が販売された(Agria社HPより)。スウェーデンのペット保険加入率は、2011年時点で既に50%程度あり、世界一の普及率だ(Hartville Pet insurance Group HPより)。

次にペット保険が広まったのがイギリスだ。イギリスは王室が代々「ロイヤルドッグ」を飼う習慣があることで有名であり、国全体として動物愛護の意識が高い。したがって、1947年に始まってから現在に至るまでペット保険は普及し、スウェーデンに次いで高い加入率となっている。

同じく動物先進国のイメージが強い北米だが、意外にもペット保険の始まりは上2国と比べて遅い。イギリスでペット保険が販売開始されてから半世紀近くが経った1980年に、Veterinary Pet Insurance(VPI)社が米国初となるペット保険を販売開始した。さらに、1989年にはカナダでも販売開始されている。北米ペット保険協会によると、北米全体で140万以上のペットが保険に加入しているようだ(2016年12月時点、データ元)。

動物先進国に後れて日本に伝来

以上の世界の動物先進国と比べると、日本のペット保険市場は遅れをとっている。1995年に、日本ペットオーナーズクラブ代表取締役社長の野川 亮輔氏が日本で初となるペット保険を販売開始したそうだ(ペトハピ”日本で初めてペット保険をつくった男”より)。

動物先進国と比べて、ペット保険の始まりや社会のペットリテラシーの高まりが遅れたこともあり、ペット保険の加入率は7.7%程度に留まっている。現在、日本では15社程度のペット保険を販売する企業が存在し、新規顧客の獲得を狙っている。

日本国内のペット保険市場に関しては、「ペット保険業界の動向」で詳しく紹介しています。

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ペット保険企業のIR・業績開示ページへのリンク集
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ペット保険業界の動向
国内のペット保険業界の動向についてまとめています。

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