異業種からペットのFCビジネスへ!口コミで話題沸騰中のペミリー
株式会社ペミリー
代表取締役 兼 Boss:橋本敏氏
インターネット回線やケーブルテレビ導入の工事を請け負う企業の現場訪問責任者を務めた。愛犬の病気をきっかけにペットフードに興味を抱き、2015年6月、㈱ぺミリーを設立。スウェーデンのプレミアムペットフードブランド「husse」の訪問販売をしながら、高齢者の見守りサービス、ペットの飼い主様同士の仲人と幅広い事業を手掛ける。動物関連の社会問題にも強く関心を持ち、CSRの一環として犬・猫の保護活動、猫のTNR活動を支援する。
愛犬が病気になるまで知らなかった!ペットフードの真実
事業概要について、教えてください
ペミリーでは、ペットフードの訪問販売からペットシッター、ペット保険の代理店等、ペット関連事業を幅広く手掛けています。当社が主軸を置いているのは、ペットフード事業です。スウェーデン発祥の高品質なペットフードブランド「husse」の日本法人である「husse Japan」とフランチャイズ(FC)契約を締結し、大阪市中央区を中心にフードを訪問販売しています。
フード事業を始めたきっかけを教えてください
昔から犬・猫だけでなく様々な動物に囲まれて暮らしていたため、動物のいる生活が当たり前でした。そんな中で出会った、パピヨンの「姫」。以前から動物病院のお世話になることはありましたが、あるとき急激に具合が悪くなり、IBD(Inflammatory Bowel Disease: 犬の炎症性腸疾患炎)と診断されました。IBDは原因不明の難病とされていますが、食事が原因の場合もあると聞き、フードについて自分なりに調べてみました。
すると、ペットフードは法律上「雑貨」であることが分かり、雑貨としての基準しかクリアしていないものをうちの子に与えていたという事実に愕然としました。
さらに調べていく中で、「husse」に出会いました。husseは世界一厳しいといわれている動物愛護法が制定されているスウェーデン発祥のプレミアムペットフード会社です。対面でペットの状態を確認し、最適なフードを提案するという販売方式が気に入ったこともあって、すぐさま本部に向かい話を聞きに行きました。
さぁ、これから頑張って行こうと関西初の代理店となった時に残念ながら姫は亡くなりました。姫にもっとできることがあったのではないかと考えてばかりいて、大切なお客様のワンちゃん・猫ちゃんを見るのが辛く、このまま事業を続けていいのかと、しばらくの間ペットロスに陥りました。
しかし、落ち込んだ姿を亡くなった姫にいつまでも見せるわけにもいきません。新たな家族として迎えた「心」と「天」のためにもと自らを奮い立たせ正しい知識を身に付け、私のように悲しい経験をする飼い主様を1人でも減らしたいという初心を貫くため、代理店として飼い主様に寄り添っていく決意をしました。
瞬時にペットの健康状態や気持ちを見抜くことができる
対面でどのようにペットの状態を確認するのですか。
husse Japanの研修や各種の資格取得は勿論、それ以外にも常に独学で知識を得る努力はしていますが、職業柄、多くの犬・猫に会うことがあり、経験則的に健康状態やその子たちの気持ちがわかるようになってきました。
アミノ酸不足(赤毛症候群)が一因と考えられる被毛の退色のような、瞬時に分かるような症状はもちろんのこと、1匹1匹配達時のカルテに健康状態を記録しているので、毛ヅヤや毛量等の小さな変化も見逃しません。
また、飼い主様の様子やご自宅の状況の変化にも注意するようにしています。というのも、ペットは飼い主様の状況にとても敏感だからです。例えば我が家で私と妻が喧嘩しているとうちの子たちは必ずと言っていいほどソワソワし始めたり、いつもと違った行動をとったりします(笑)。
ペットが幸せなのはもちろん、飼い主様も幸せになれるよう、訪問には十分な時間をとり、できる限りお話を聞かせて頂いて、時には私なりのアドバイスができるよう日々勉強しています。
関西初出店でも口コミで大人気!その裏には、お客さまを「家族」だと思って接する姿勢があった
前職では、どのような仕事をされていたのですか。また、前職の経験が活かされたことはありますか?
前職はペットと全く関連がなく、インターネット回線やケーブルテレビ導入工事を請け負っていました。どうしたらお客さまに喜んでいただけるかを常に意識して、アフターサービスの面での差別化を心がけていました。導入工事では、お客さまのご自宅に訪問し、作業工程と必要な時間をお伝えしてから作業に入ります。工事をしている間はお客さまと話さず、終了後に説明書をお渡しして「不明な点はお客さまセンターにお問合せください」で済ませます。
その背景には、次に訪問予定のお客さまがお待ちなので、できるだけ迅速に作業を終えたいという工事側の都合があります。一方のお客さまとしては、導入後の使い方を聞きたい。そのギャップを解消するために、訪問部隊を二手にわけ、工事だけする先発隊と工事が終わった頃を見計らって到着し、使い方の説明をする後発隊のチームに分けました。
物・サービスを提供して終わりなら、私たちの存在はそれほど意味を持たないでしょう。お客さまを「家族」だと思い、家族の為に何ができるのか、何を必要としているのかを考え、個々の役割を明確にした結果、月間200件ものお褒めの言葉をいただくことができました。
現在もお宅を訪問する中で、お客さまはもちろん、ワンちゃんや猫ちゃんを家族と思って接するよう心がけています。例えば、お客さまのご自宅へ伺う際は、通常husse®の宣伝を兼ねた配達用の真っ赤なバンを使用しています。しかし、お客さまのお住まいの状況によっては「ペットフード」と書かれた真っ赤なバンが家の前に止まっていると迷惑をかけてしまう恐れがあります。そういった場合は、目立たない違う車で伺う等細やかな気配りを大切にしています。お蔭さまで、当社のお客さまからお客さまへとご紹介いただける事が多いのですよ。当社を知っていただく手段は、口コミが最も多いです。
買い物弱者のフード選びの現実を変えたい
お客さまは、どのような方が多いのですか?
昨今の傾向として、車を持っておらずなかなか買い物に行くことができない高齢者のご自宅へ伺うことが増えてきたという実感があります。少子高齢化の影響もありますが、フードの種類の多さも問題ではないでしょうか。最近のペットフードは日進月歩で研究がすすみ、毎日のように新たな商品が発売されています。
情報が溢れた状況下では、フードを選ぶのはとても大変なようです。大切な「家族」のために少しでも良い食べ物を与えてあげたいけど、知識が無くて選べない。種類が多過ぎて解らない。というような方も多いですね。
また、市営住宅や府営住宅に長年住み続けている高齢者や大阪市の郊外におひとりでお住まいの方がフードを買いに行っても、お目当てのものを見つけるまでタクシーでお店をはしごするという状況もあると伺ったことがあります。お話をしていると、「フードを買いに行くのにタクシーを使うなんて贅沢だ」という方や、「たとえタクシーで行ったとしてもフードを抱えて帰ってくるのは大変だ」とお困りの方が多いという印象です。
ペミリーがペット好き専門の仲人も手掛ける理由
代理店としてフードを販売するだけでなく、事業内容が多岐に渡っているのですね。
ペットと一緒におひとりで住んでいる高齢者の社会との唯一の接点は買い物のみですし、その買い物にすらなかなか行けない状況があります。これでは、万一のことが起こったときにご近所さんや遠方にお住まいのお子さんたちは気づくことができません。
そこで思いついたのは、「見守るワン♪見守るニャン♪」というサービスです。フードの配達で定期的に訪問するたびに世間話をしている私が、ペットはもちろん、飼育者の方の健康状態や困りごとをヒアリングし、遠方にお住まいのご家族に報告すればいいのだと思い、新たなサービスを始めることにしました。他にもペット好きな人専門の仲人もやっています。しかし、残念ながらペットを飼っている独身男性は少ない(笑)。
いずれにせよ、ワンちゃん・猫ちゃんと人間が幸せになれるサービスであれば今後もどんどん実現させていくつもりです。
野良猫の保護活動に参加して分かった、捕獲に最も効果的な○○
犬・猫の保護活動やTNR活動にも積極的に参加されていると伺っております。どのような経緯で参加されたのですか?
この仕事を始めるまでは、殺処分ゼロ、保護犬・保護猫、TNR活動※という言葉は知っていたものの、どこか他人事でした。きっかけは、保護活動をされているお客さまと出会ったことです。ご自身の食べる物・着る物等にかけるお金を割いてでも保護活動をされていることを知り、自分はいったい何をしているのだろう、と衝撃を受けました。
ペット業界に身を置く人間として、出来る事を模索した結果、CSR活動の一環として、大阪で犬・猫の保護活動やTNR活動に取り組まれている団体や個人の方のお手伝いをしています。フード面でのご支援はもちろん、実際にTNR活動の現場に赴いたこともあります。野良猫を捕獲する際に一番有効な餌が何かご存じですか?某コンビニエンスストアの鳥の唐揚です。
このような情報は、実際に現場に赴いて自分が体験しなければ入手できません。TNR活動に参加する前までは私に何ができるのだろうと思っていましたが、現場を見て、取り組まれている方のお話を聞くと、私にもできることがあるとわかりました。活動に従事されている方の視点に立ち、私にでもできるお手伝いを今後も続けていきたいと思っています。
※TNR活動とは:飼い主のいない猫を捕獲(Trap)し、避妊・去勢(Neuter)手術をし、元の場所に戻す(Return/Release)こと。繁殖を防止し、「飼い主のいない猫」に関わる苦情や、殺処分の減少に寄与している
「ペットのよろず相談室でありたい」真意は、同じ悲しみを味わう飼育者を減らすため
今後の展望を教えてください
愛犬を亡くした経験から、「ペットのよろず相談室」を作りたい思っています。ペットに関することであれば、何でも相談できるコミュニティーの様なものです。ワンちゃんの飼い主は、お散歩の際に情報交換をする機会があると思います。しかし、愛犬が病気になると、その機会も減ってしまいます。私がそうでしたが、愛犬の病気をきっかけに飼い主様がふさぎがちになり、他の方のアドバイスを受け入れる心の余裕がなくなります。その結果、もっとしてあげられることがあったのではないかと自己嫌悪に陥り、しばらくペットロスから立ち直ることができなかったという経験をしました。
そこで、獣医師でも動物看護士でもない私にしかできない「ペットのよろず相談室」を9月1日にJR平野駅前にオープンさせました。フードの相談はもちろん、訪問させていただく中でさまざまな動物病院やトリミングサロンの評判を伺ったり、相談されたりする機会が多いので、ご要望にお応えできればいいと思っています。
私の提案するサービスによって、あらゆるワンちゃん・猫ちゃんとその飼い主様を含めたご家族全員が幸せに暮らせる社会が訪れるといいなと思っています。
法人名 :株式会社ペミリー
住所 :大阪市平野区加美東4丁目12-34(本社)
設立年 :2015年
代表 :代表取締役 兼 Boss 橋本 敏
主な事業内容 :プレミアムペットフード「husse」正規代理店 (husse japan大阪)、ペットショップ運営、ペット保険/アイペット損害保険株式会社正規代理店、ペット好きな方専門仲人 ペットと婚活 運営