お散歩ではなく、フィットネス。犬専用のフィットネスクラブとは
エルペロ:
株式会社久ヶ原スポーツクラブが運営する、家族の一員である愛犬の健康維持、体力・筋力アップのサポートをしている犬専用のフィットネスクラブ。独自で開発したドッグランナーをはじめ、バランスボールやアスレチックなどを使用し、愛犬が楽しみながら運動できる施設づくりを目指している。
愛犬のためのフィットネスクラブ『エルペロ』とは一体どのようなものなのですか?
『エルペロ』は、家族の一員である愛犬の健康維持、体力・筋力アップのサポートをしている犬専用のフィットネスクラブです。季節や天候を気にせずいつでも運動ができ、愛犬の体力や性格に合ったプログラムを受けることができます。『エルペロ』が提供しているプログラムは「ドッグランナー」「バランスボース」「ワンダーロード(アスレチック)」「マッサージ」など多岐に渡ります。本日は『エルペロ』の会員さまにお越しいただいたので、実践しながら説明します。ダイエット目的で2~3年前から通い始めているミニチュアダックスフンドの「クリタンちゃん」です。もう13歳になりますが、定期的に運動をしていることもあり、毛並みもよくとても元気です。
まず、トレーニングを始める前に体重測定をし、当日の体調を飼い主に確認します。前回からの体重の変動や体調を見て当日のプログラムや負荷を決めるためです。クリタンちゃんは自分から体重計に乗るほどやる気に満ち溢れていますね(笑)。
こちらが、ドッグランナーです。途中休憩を挟みながら10分ほど速度変化や傾斜変動を加えたインターバルトレーニングを行います。速度や傾斜を自由に変えることができ、個々に合ったプログラムを作ることができます。よく「うちの子でも走れますか?」と心配される飼い主もいらっしゃるのですが、身体・性格に特に問題がなければほとんどの犬が走ることができますよ。外では全く歩かないという子もこのドッグランナーでは不思議と歩けるのです。
祖先は狼。現代の犬は運動しなさすぎ?!
ドッグランナー・・・散歩で十分だと思ってしまうのですが、それだけでは足りないということでしょうか?
全く足りないですね。もちろん愛犬のためには散歩も大切だと思います。ストレス発散や他の犬との交流もできますしね。しかし、犬の本来持っている身体能力を考えると、日々の散歩だけでは適切な運動量とは言えないと思います。特に、もともと猟犬であったダックスフンドや大型犬は飼い主が思っている以上の運動が必要になります。どのくらいが適切な運動量なのか分からないという飼い主が多いと思いますが、基本的に普段の生活だけで「運動をしすぎる」ということはないですね。犬の祖先である狼は時速30km、このドッグランナーの最大速度になりますが、そのくらいであれば24時間くらい走ることができます。そのくらい、犬の身体能力は高いということです。私の愛犬はまだ5カ月なので、このドッグランナーで10分間走るだけで相当疲れてしまうのか家に帰るとぐっすりですけどね(笑)。これから成犬になるにつれてどんどん体力がついていくと思います。
こちらのドッグランナーは独自で開発されたのですか?
そうです。最大速度は時速30km、傾斜は最大15度までつけることができます。また、大型犬が乗っても壊れないよう、とても頑丈に作られています。重量で言うと140kgぐらいでしょうか。大人8人がかりで運んだ記憶があります。プールは犬の運動には最適で、以前はここでも使用しておりましたが、プール自体の維持費がかかり、運営側と飼い主さま側双方に料金的な負担がかかることから、もっと手軽にフィットネスを活用して頂くために昨年中止することにいたしました。
実は、ペコス幕張新都心に犬専用のプールがありますが、それは当社が販売し、今もご活用いただいております。
まるで人間同様!バランスボールで体幹を鍛える
「ワンダーロード」「バランスボール」について教えてください。
「ワンダーロード」は、カラーボールを敷き詰めた道や跳び箱のような突起物を配置した犬用のアスレチックです。色々な障害物を突破するために日常生活では動かすことのない筋肉を使い、簡単な筋トレ効果を得ることができ、体幹などが鍛えられます。また、考えながら前進することで精神力なども鍛えられます。「バランスボール」は文字通り、不安定なボールの上に乗るトレーニングです。こちらも体幹が鍛えられ、前足や後足が筋力アップし、体が引き締まります。筋肉や体幹バランスを鍛えることにより、老化防止やダイエットに効果的です。バランスボールの種類は全部で3種類あり、始めは足との接地面が平らなものを使い徐々に難易度を上げていきます。
会員さまはどのような目的で通われている方が多いのですか? 通う前と通った後でワンちゃんの変化は見られますか?
ダイエット目的と老化防止目的で通われている方が多いです。ただ最近では運動不足解消の目的で通われている方も増えてきました。通われている犬の年齢構成は成犬~老犬が多いです。また理由は分かりませんがメスが多いです。運動の効果ですが、ダイエットは食事内容が大きく影響しますので、週1回の運動だけではなかなか痩せられないのが現状です。しかし長年通ううちに骨格や筋肉が発達してムキムキになった子もいますよ(笑)。
日本初の犬専用フィットネスクラブを設立した理由
そもそもなぜ犬専用のフィットネスクラブを始めようと思われたのですか?
『エルペロ』が設立されたのは今から13年前です。『エルペロ』の母体である「久ヶ原スポーツクラブ」では現在も続く子供をメインとしたスイミングスクールを運営しています。愛犬も家族の一員であると考えていた当時の代表取締役社長の松山は、人間の少子高齢化が進む中、さらに将来犬も高齢化が急速に進むことでその健康維持・管理のための新たな運動施設が必要だと感じていたようです。当然、13年前の日本には犬専用のフィットネスクラブというものはありません。松山は、犬の健康志向先進国であるイギリス視察、その他欧米諸国の現状把握を経て、日本初となる愛犬用アクアフィットネスクラブ『エルペロ』の設立を実現しました。インストラクター養成のために、アメリカから理学療法士の先生を呼び、講習会を開いたこともあります。
淡路さまが『エルペロ』で働こうと思った理由を教えてください。
私は現在『エルペロ』に勤務して4年目になります。昔から動物が好きなこともあり、『エルペロ』で勤務する前は動物園関連の専門学生でした。2年制の学校なのですが、2年目に入ったころから家庭犬訓練士に興味が湧き、専門を動物園にいるような野生動物から、愛玩動物の犬に変更しました。やはり野生動物と愛玩動物では理解力が異なることもあり非常に興味深かったですね。その後、卒業後の進路を考えていたときに『エルペロ』の求人募集を見て「犬専用のフィットネスクラブ!面白そう!」ということで入りました。現在『エルペロ』のスタッフは私を含め2名ですが、どちらも専門学校を卒業しておりトレーニングだけではなく犬の爪切りや耳掃除など一連のお手入れをすることができます。
飼い主の応援が一番のエナジードリンク!個々にあったプログラムとは?
一頭一頭その子に合ったプログラムをつくっていると伺いました。
犬の体力や体調を考慮したプログラムを作成することはもちろん、意外と重要なポイントは犬の「性格」に合ったプログラムを作ることなのです。例えば、ドッグランナーでは下り坂が好きな犬もいれば嫌いな犬もいます。一方、上り坂が好きで、上り坂になるとテンションが上がる子もいます。そのような個々の好き嫌いに合わせたプログラムをつくることにより、愛犬が飽きずに楽しんでトレーニングを行うことができます。また、私たちスタッフや飼い主の「応援」もトレーニングを行う上で非常に大事な要素になります。やはり愛犬は飼い主が応援するとやる気が湧きますし、飼い主も愛犬が頑張っている姿を見ると思わず応援したくなりますよね。初めて愛犬が『エルペロ』で頑張っている姿を見て、「感動」する飼い主は決して珍しくありません。私もその中の一人でしたが(笑)。飼い主と愛犬が一体となって楽しくトレーニングできる施設を目指しています。
最後になりますが、今後の展望を教えてください。
今の場所も決して交通の便が良いとは言えないのですが、「愛犬のためにフィットネスクラブに通いたいけれど近くにそういう施設がない」とお困りの方が多いので、我々が出張してこのようなサービスを提供できないか考えています。また、現在はワンちゃんの運動時には飼い主が付き添っていただくようになっているのですが、今後は飼い主がいなくてもワンちゃんをお預かりできるようなサービスを提供していきたいと思っています。個々に合ったプログラムを提供し、より健康的な生活が送れるようサポートできればと思っています。
法人名 :株式会社久ヶ原スポーツクラブ
住所 :東京都大田区久が原5-12-8
設立年 :1980年
代表 :千島 克哉
主な事業内容 :スポーツクラブ・スイミングクラブ・犬のためのフィットネスクラブ、エルペロ