新興ペットビジネス

2017年2月8日

 

ペットの家族化が進むに連れて、人向けサービスと同様に様々なペットビジネスが現れている。今回は、PEDGEを運営するアイペット損害保険(株)が実際にインタビューを行った6つのペット新興サービスを紹介する。

事例①:犬専用フィットネスクラブ

elperro

まず紹介するのは、株式会社久ヶ原スポーツクラブが運営する犬専用フィットネスクラブ「エルペロ」。それぞれの犬の体力や体調、性格等にあわせてプログラムを作り、ドッグランナーやバランスボールといったエルペロが独自で開発した機具も用意されている。

指導責任者の淡路氏曰く、「犬の本来持っている身体能力を考えると、日々の散歩だけでは適切な運動量とは言えない」そうだ。そこが多くの飼育者にとって意外に思われる点で、犬種にもよるが、犬の健康を維持するためには散歩だけでは足りない。

エルペロに来訪する顧客には、主にダイエットや老化防止目的の人が多いそうだ。様々なメディアで取り上げられているとおり、近年はペットの健康志向の高まりや高齢化が顕著だ。犬専用フィットネスは今後も需要が伸びるサービスと言えるだろう。

エルペロの詳細については、指導責任者・淡路氏のインタビュー記事「お散歩ではなく、フィットネス。犬専用のフィットネスクラブとは」をご覧ください。

 

事例②:犬の世話をする人のマッチングサービス

 

doghuggy

次に紹介するのは、犬のお世話をする人のマッチングサービス「DogHuggy」。使い手としては、旅行や外出時等で愛犬の世話ができない飼い主とその犬、及び、その間世話をする人(ホスト)を想定している。

ホストを希望する人は現在犬を飼っている人や、過去に動物関連の仕事をしており「犬と触れあいたい」という人が多いそうだ。近年、単身世帯や共働きの世帯が増えており、新しく犬を飼うことをためらう人が増えると予想される中で、メインで飼っている人と周囲のサポーターで1頭の犬の世話をする「ペットの世話のシェアリング」という新たな動物との関わり方が広まるかもしれない。

現・代表取締役の長塚氏は、高校卒業後19歳で株式会社DogHuggyを設立した若手起業家だ。ペット業界で働く新卒の社会人を集めてセミナーを広く等、その事業範囲はマッチングサービスだけに留まらない。

DogHuggyの詳細については、代表取締役・長塚氏のインタビュー記事「ペット版Airbnb:DogHuggyを率いる19歳起業家が目指す犬の幸せ」をご覧ください。

 

事例③:「お客様はペット」のタクシーサービス

ペットタクシーの画面
タクシー事業をメインで扱っている三和交通株式会社が、2016年10月よりペット関連サービスも開始した。三和交通が開始した「PET TAXI」は、ウェブサイトから事前に必要な情報を登録することで犬・猫・小動物等と快適に乗車できるサービスだ。ペットだけの乗車も可能で、ペット及びペット飼育者にとって快適な配車サービスとなっている。

三和交通はPET TAXI以外にも一風変わったタクシーサービスを行っている。その一例が、「ゆっくりボタン」を押すと、通常よりもゆっくりと運転をしてくれる「タートルタクシー」だ。こうしたアイデアは全て顧客の声が元となっており、顧客志向を非常に重要視していることが窺える。

PET TAXI及び三和交通の詳細については、代表取締役社長・吉川氏のインタビュー記事「タートルタクシーでお馴染、三和交通の新境地『ペットタクシー』」をご覧ください。

 

事例④:保護犬猫と新たな飼い主のマッチングサービス

 ペットに関する社会テーマの中でも、問題として頻繁に取り上げられるのは「殺処分」ではないだろうか。地方自治体が運営する保護施設や民間の愛護団体など、多くの方が殺処分問題の解決に取り組んできたが、金銭・人材・時間といったリソースが限られており、簡単に解決することができないのが事実である。

株式会社シロップは、そうした殺処分問題に対してビジネスの側面からアプローチし、解決を図っている。シロップは、2016年12月から、保護犬猫と新たな飼い主をつなぐマッチングサービス「OMUSUBI(お結び)」の提供を開始した。

上述した通り、保護犬猫を引き受けた保護施設及び民間団体(以降、保護団体と呼ぶ)は、あらゆるリソースが限られた中で、譲渡活動をしなければならない。OMUSUBIは、こうした保護団体に対して、サイト運営を行わなくても情報発信や譲渡を行える状態を提供する。さらに、保護団体からペットを引取りたい個人の方に対しても、OMUSUBIの基準を満たす保護団体の中から安心してペット探しをできる利便性をもたらす。

シロップの共同創業者兼代表取締役社長である大久保泰介氏は、ビジネスを通じて殺処分問題と向き合うことについて、「活動を持続させるためにも、しっかりとマネタイズをして、ビジネスを通じて社会貢献をすることが大切だと思っています」と述べている。

シロップ及びOMUSUBIの詳細については、共同創業者兼代表取締役社長・大久保氏のインタビュー記事「保護犬・保護猫を迎える文化を日本につくりたい。若き起業家の挑戦」をご覧ください。

 

事例⑤:獣医師&メーカーのためのメディア

vetpeer
続いてご紹介するのは獣医師やメーカーをメディアで繋ぐBtoB事業「Vetpeer」だ。人医療業界に比べて情報の流動性が低い獣医療業界に対して問題意識を感じた野川社長・藤本COO・栫井CTOが2013年に株式会社Zpeer創業した。

Vetpeerは、獣医師同士が情報交換できる場を提供するとともに、メーカーが獣医師に対して情報提供できる場を用意している。人医療と同様に、toCからアプローチのしづらい医療費問題をtoB側から解決することを目指している。

Vetpeer及び株式会社Zpeerの詳細については、副社長兼COO・藤本とCFO兼CTO・栫井氏のインタビュー記事「ペットのしあわせと業界の発展を目指す、獣医師専用サイト「ベットピア」」をご覧ください。

 

事例⑥:ねこの健康管理ができるIoTトイレ「toletta」

ねことの幸せな生活のために、テクノロジーと獣医師により実現したねこのトイレ「tolatta」。スマートトイレによって健康データ管理と獣医師による健康サポートがセットになったサブスクリプションサービス。必尿器疾患にかかりやすいねこのために、ねこの体重、おしっこの量・回数、トイレへの入室階数、滞在時間、経過時間を自動で測定し、スマートフォンで体重管理を行う、次世代スマートトイレです。

㈱トレッタキャッツとスマートトイレ「tolatta」の詳細については、「ねこが幸せになれば、人はもっと幸せになれる。」をご覧ください。

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