ペット可サービス付き高齢者住宅が促す、自立した老後の過ごし方

2016年7月5日

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ゆうペットシニアロゴ02

 

 

 

ゆうペットシニア代表 瀬戸強氏:


2002年に介護福祉士となる。有料老人ホーム、デイサービス等の職員を経て2006年に㈱パピーを設立し、介護タクシー事業を興す。脳梗塞で要介護になった父の看取りと、独居高齢者の孤立問題を目の当たりにし、2015年よりサービス付き高齢者住宅(以下「サ高住」)である「ゆうペットシニア」の運営を開始。ペットシッター士や愛玩動物飼養管理士の資格を持つ。

犬・猫が待つサ高住

ゆうペットシニアには、どれくらいの数の犬・猫がいるのですか?
pic②ゆうペットシニアには看板犬(瀬戸氏の愛犬ジョイ)が1匹、猫が3匹います。スタッフもペットを飼育しており、愛犬を連れて出勤することもあります。看板犬は私の愛犬でして、当施設に入居する私の母と一緒に過ごしています。夜は、母の傍で寝るほど仲良しなのですよ。一方、猫は2階の「猫ラウンジ」にいます。2匹は保護猫の里親になり、もう一匹はペットショップで売れ残っていた子の3匹です。里子で譲り受けた子たちは、猫風邪や皮膚病など、当初は病院に通わせることが多く不安でした。私自身、猫を迎え入れることが初めての経験ですので、猫を飼育しているスタッフの助けを借りながら、思考錯誤を重ねてお世話をしています。その結果、最近では元気いっぱいで動物病院に連れて行く回数もずいぶんと減りました。

ペットを飼っていない方こそ入居して欲しい!

ゆうペットシニアは、全室ペット飼育が可能だと伺っております。ペットの種類に制限はありますか。また、ペットを飼育していない方でも入居できるのでしょうか。

広々とした部屋
広々とした部屋
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施設の外観

犬・猫と一緒にご入居を希望される場合、原則として1人1匹で犬は小型犬に限定しております。しかし、それ以上に飼い主さんとペットの関係性やしつけの状態(特に犬)を重視させていただいております。大型犬でも、しっかりとしつけがされていて他の入居者さまにご迷惑をかけないようであれば、ご相談に応じます。小規模で家庭的な施設ですので、個々の状況に応じて判断させていただければと思います。もちろん、ペットを飼育していない方の入居も可能です。ゆうペットシニアの特徴として、2階の共同スペースに「猫ラウンジ」を設けています。

私が愛犬と散歩していると、「ペットが亡くなってしまったけど、次の子を迎えると自分が先に逝っちゃうから心配で飼えないわ。」というお声を良く聞きます。「猫ラウンジ」では、ご自身の年齢に鑑み、新しくペットを迎え入れることを諦めてしまった方でも、お世話や病気、お金、終生飼育の心配をすることなく、安心して動物を可愛がることができます。
将来的に猫を飼育している入居者さまとその愛猫が猫ラウンジで先住猫たちと遊べればいいと思い、猫を飼っているスタッフが愛猫を連れてきたことがあります。しかし、猫の習性から縄張り意識が強く、この試みはあまり上手くいきませんでした。ペットと共に入居された方はまだいませんが、今後はペットを飼育されている方にも入居いただければと思っています。

犬・猫と共生するための工夫

ペット同士のトラブルを未然に防ぐため、どのような措置を取られていますか?
また、
入居時の取り決めはございますか?

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猫は犬をこわがる子がいますし、また散歩の際に便利なように犬の飼い主は1階、猫の飼い主は2階と、犬と猫の居住スペースを分けています。犬と猫の共生は不可能ではなさそうですが、簡単にはいきませんし、猫同士でも同様に相性があるようです。共用部分では、人・動物ともに事故が起きたり、衛生上の問題が起きないことが課題です。エサやり等はトラブルが起きやすいので、注意していただきたいことですね。今後、実情に沿ったルールの整備をしていく予定です。

犬・猫にもしものことがあった場合、また飼い主がペットの面倒を見れない場合の取り決めはありますか?

自立型の施設になりますので、飼い主さんに直接、最寄の動物病院に連れていって頂きますが、有料にて通院の代行もいたします。また、このあたりには夜10時まで診療をしている動物病院や夜間救急病院があるので、夜間の急病時も安心いただけます。今後は、獣医師や専門家と協力して入居者さまのペットのサポート体制を整えていきたいです。
一方、入居者さまが急用や入院等でペットの面倒を見れなくなってしまった際には、一時的なお世話になりますが、居室にてペットの餌やり、トイレの掃除や空調管理をするといったペットシッターサービスをご用意しています。基本的に、入居者さまに万一のことが起こった場合のペットの引き取り手は、入居前に決めて頂いております。ただし、ペットの引き取り手がいない方や時間の経過によって引き取りの約束が果たされない可能性もございます。入居者さまとペットが安心して暮らせる方法を、NPO法人や愛護団体、介護福祉関連やペット関連企業、信託制度や各種保険などから模索中です、お悩みの方はぜひご相談ください。

入居者の自立を促すために積極的な介護は行わない

ゆうペットシニアならではの特徴を教えてください

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サ高住では、建物内部や隣接で「在宅介護サービス」を提供する事業所を運営するのが一般的です。入居者さまに「介護保険」を使っていただき、介護保険の給付金を運営費に充てています。といいますのも、サ高住の収益構造上、家賃収入だけでは運営が難しく介護保険の給付金に頼らざるを得ない側面があるからです。

一方、当施設では介護保険の給付金に頼らない運営を目指しています。ここには専属のケアマネージャはいませんし、デイサービスの提供も行っていません。そのため、入居後に「ケアマネージャとの相性が合わないから変更して欲しい」「自分の好きなデイサービスに行きたい」という要望も、気兼ねなくお申し出いただけます。入居前から利用していたサービスを継続して利用することも可能です。もちろん、問題が発生した場合にはお手伝いをしますが、基本的には遠くから口も手も出しすぎない姿勢を取っています。入居者さまからすると、選択の自由があるという点で魅力的だと思います。

施設でペットを飼っている理由

なぜ、瀬戸さんは座間にペット可のサ高住をつくろうと思ったのですか

実は、ここはもともと生まれ育った家が建っていた土地です。この施設をつくる5年ほど前に父が脳梗塞で倒れ、残った母が1人きりになってしまいました。要支援の母を1人きりにしておけず、自宅と実家の行き来を繰り返していました。あるとき、母の用心棒にと犬を飼い始めたところ、あまりにも可愛くて自宅に帰る回数が減ってしまいました笑。亡くなった父は土地を守って欲しいという意識が強く、広い自宅敷地をなんとか有効利用できないものか?と考えていました。私が生き物好きだということもあり、ペット可のサ高住を作れば母もここにいることができますし、亡き父の本意ではないにしても、少しは顔向けできる形かな?と考えました。

貸主にとってリスクが高いことから、一人暮らしの高齢者を断る賃貸住宅が多いです。ましてやペット可の条件ですと、ほとんど見当たりません。自立した高齢者の住まいは選択肢が絞られ、厳しいのが現状ですが、介護保険サービスを利用される方の施設入所であれば、住まい探しは簡単です(特別な要望がない場合)。ですが、ペットを飼うとなると、また一気にハードルが高くなってしまうのが現状です。

※要支援とは・・・介護保険を利用して介護サービスを受けるためには、その状態がどの程度なのか役所から「要介護認定」を受ける必要がある。要支援は1~2、要介護は1~5まで段階があり、数字が大きくなればなるほど、より介護が必要となる。利用できる介護サービスの範囲や量、負担料金の上限などが異なる。

ペットのお世話をすることは自分の薬になる

高齢者がペットを飼うことによる効用を教えていただけますか

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ペットを飼うことがその方の生きがいに繋がると思っています。ペットに限らず何かの面倒をみている人は、ものすごく強いです。守る対象ができると「この子を残して死ねない」と気持ちに張りが生まれるのではないでしょうか。ですから、何かの世話をする役割を担うことで生きがいを持っていただき、認知症の予防や心身の健康につなげたいと思います。今後、ご入居者さまにご希望があれば「猫ラウンジ」で猫のお世話をお願いしても良いかなと考えています。入居者さま同士で取り合いになったらどうしようという課題はありますが笑。

 

老老介護の問題に関して瀬戸さんのご意見や、ゆうペットシニアの今後の展開をお聞かせください

老老介護の問題は、少子高齢化や医療の進歩などにより、今後ますます深刻化する社会問題だと思います。介護付きの施設に入所できれば介護者の負担は減りますが、入所した途端に状態が悪化する方もいます。できる範囲で自分のことは自分ですることが、健康寿命を延ばし、寝たきり状態の予防に繋がるのではないでしょうか。
当施設は、今後入居される方と共にアットホームで楽しい施設作りを目指します。自立者を対象とし、介護保険の給付に頼らない運営を目指しているため、次の施設建設の資本をまかなえるほど収益を得られるビジネスではないのが実情で、更なる展開の予定はございません。しかし、当施設の運営を通じてペットと一緒に暮らしたい高齢者の一助となれれば幸いです。

 

 

法人名     :株式会社パピー

住所      :〒252-0027 神奈川県座間市座間1-3059-1

設立年日    :2015年

代表        :瀬戸 強

活動内容    :ペットと入居できるサービス付き高齢者住居の運営

 

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